どうも、専属ダイエットコーチの九条圭です!
近年人気の減量薬でもある「GLP-1治療薬」について、述べていきます!
この記事では、あまり世間では知られていない
「GLP-1治療薬」の現状明らかになっている意外なリスク
について解説していきます!
魔法の注射?GLP-1治療薬とは
あなたは今まで、
「ダイエット注射で食欲を抑えられるのは興味ある…」
「減量薬(GLP-1)で痩せられるなら1度試してみたい!」
と思ったことはないでしょうか?
「GLP-1治療薬」とは、一言で説明すると、
食欲を抑えるためのホルモンである“GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)”と同じ働きをする薬
です。
GLP-1は、脳の受容体に作用して食欲を抑えてくれるため、体重が増えにくいとされています💡
そのGLP-1を模倣している薬なので、減量薬として使われていたりします。
そして、GLP-1は、インスリンの分泌を促すホルモンでもあります。
食事をすると、私たちの血糖値は上がりますね。
そこで、食後などにGLP-1治療薬を使うことでインスリン分泌を促し、グルカゴンの分泌を抑えてくれるため血糖値を下げる作用があります。
インスリンとは、血液中のグルコースを取り込むようにたくさんの細胞に働きかけます。その結果、血糖値を下げる働きをします。
グルカゴンとは、肝臓にグリコーゲンとして蓄えられたグルコースを血液中に放出するよう働きかけます。その結果、血糖値を上げる働きをします。
このようにGLP-1は血糖値を管理できるため、GLP-1治療薬は、糖尿病の治療に処方されることが多い薬です。
本来は、
糖尿病の患者などに対して使われる目的で作られた薬
になっているということですね。
GLP-1治療薬の効果はそれだけではなく、
胃から腸に食べ物が移動する速度を遅くし、満腹感を長く保つ働きや、食後高血糖を抑える作用
もあるのです。
そして、GLP-1治療薬は、主に注射と錠剤の2つの形態で提供されています。
ウゴービ(正式名Wegovy)、オゼンピック、サクセンダ、ビクトーザなどのダイエット注射による減量治療はすべて、このGLP-1 の効果を増幅させます。
注射剤は、一日一回または週一回投与されることが多いです。
一方で、錠剤はセマグルチド(商品名:リベルサス)という成分で、一日一回服用されたりします。
「血糖値も管理できるし、食欲も抑えられるし、痩せるならめっちゃいい!!」
となりそうですが、そうなる前に、リスク面も一度よく調べた方が良いかもしれません。
GLP-1治療薬の副作用やリスクは?
現状、GLP-1治療薬には、さまざまな副作用が報告されています。
主な副作用としては、
低血糖、便秘や吐き気、嘔吐、下痢などの消化器系の問題
が報告されているのですね。
急性膵炎のリスクもあります。
実際に、近年ブリティッシュコロンビア大学医学部の研究者らが
「減量目的のGLP-1受容体作動薬に関連した胃腸有害事象のリスク」
について、5,411人の患者のデータを分析した研究結果を発表しています。
その結果、
食欲を抑えるためのホルモンGLP-1 (グルカゴン様ペプチド-1)を模倣した減量薬は、
さまざまな消化器系の問題を引き起こしている可能性がある
ことが示されています。
具体的には、
胆汁疾患、 膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺
などの問題のリスクが高くなることが指摘されています。
ただし、数字でみてみれば
そのリスクは、比較的小さいといえると思います。
たとえば、サクセンダ(GLP-1治療薬)を服用している人の0.8%が腸閉塞を報告しています。
それにたいして、
コントレイブ(非GLP-1治療薬)を服用している人の0.17%が腸閉塞を報告しました。
数字でみると、そこまで高くなっていないようにみえますよね。
これにたいして、研究者であるブリティッシュコロンビア大学の疫学者マヒャー・エトミナン氏は以下のように述べています。
「現在世界中で数千万人もの人がこれらの薬を使用しているため、たとえ1%のリスクであっても、多くの人がこのような有害事象を経験する可能性がある」
また、研究者らは以下のようにも示唆しています。
「糖尿病にこれらの薬を使用する患者と、健康な人で減量のために使用する人とでは、リスク・ベネフィット計算が異なる。薬の利点がすべての人にとってリスクを上回るわけではない可能性がある」
これらの副作用が現れた場合や、日常生活に支障が出た場合などは、すぐに医師に相談することが重要です
魔法の薬は存在しない!
これまでご紹介してきたように、
GLP-1受容体作動薬は食欲を抑えてくれて、摂取カロリーの減少が期待できることから、ダイエット目的に適応外使用されることが増えています。
しかし、現状では
「健康的な方へのエビデンスが非常に薄い」
として日本糖尿病学会も警鐘をならしているのです。
また、米国食品医薬品局(FDA)は、オゼンピックにたいして、この薬の使用者からさまざまな「胃腸疾患」が報告されているとして、警告を添付すべきであるとの判断を下しています。
※参照:Drug Safety-related Labeling Changes (SrLC)
肥満症の治療薬としてだと、
BMI27以上で生活習慣病リスクが2つ以上ある場合にのみ
セマグルチド(商品名:ウゴービ)の適応が近年認められました。
もしも、減量目的でダイエット注射(GLP-1受容体作動薬)を使用する場合は、そのようなリスクもちゃんと考慮して、使っていただければと思います💡
結論…
魔法の薬は、なかった!!
残念…
以上になります!
それではまたノシ
記事まとめ
- GLP-1治療薬は、食欲を抑えるホルモンであるGLP-1を模倣した薬で、血糖値を管理し、食欲を抑える効果がある
- GLP-1治療薬は、主に注射と錠剤の2つの形態で提供されている
- GLP-1治療薬には、低血糖、便秘や吐き気、嘔吐、下痢などの消化器系の問題などの副作用がある。急性膵炎のリスクもある
- 現在、GLP-1治療薬はダイエット目的で使用されることが増えているが、健康な人へのエビデンスがないため注意が必要
- 肥満症の治療薬としては、BMI27以上で生活習慣病リスクが2つ以上ある場合のみ、セマグルチド(商品名:ウゴービ)の使用が認められている
- 副作用が現れた場合や、日常生活に支障が出た場合は、すぐに医師に相談することが重要
- 減量目的でダイエット注射(GLP-1受容体作動薬)を使用する場合は、そのようなリスクもちゃんと考慮して使用することが推奨されている
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